大学一年ん時の話 
当時の彼女とドライブ中、軽い坂道を通った。 
坂と言うよりは、軽い峠道に近い感じ。 
その道の途中にある公園の入り口が、少々立派な入り口で 
公園の名も、壁に付いた石板に彫ってあるような。 
道路には俺の車と、後ろにもう一台 
後ろの車のライトが、その看板の壁を照らした時に子供が走ってる影が映った。 
そこで、俺はおかしい事に気付く。今まで走って来た道に 
子供どころか、人なんか一人としていなかった。 
隣の彼女にはその事を告げられず、「帰ろう」とだけ一言。 
後から聞いたんだが、俺が帰ろうと言った時 
物凄く肩が重かったそうだ。その時も影の話はこちらからしてない。 
結構メンヘラな彼女で、話をした後の 
リアクションが想像できなかったから、辞めておいた。 
これが、土曜日の話で 
週明けの月曜に登校した俺は 
すぐさま、仲間内にこの話をした。 
男女含め喫煙所に20人ぐらいがたまってたのだが 
やはり、年の頃なら18~19 
それはもう、「行こう!行こう!!」の嵐 
実はこの時の俺、心霊現象には慣れっこ 
その為、ドライブ中も冷静でいられた。 
なので、こういうノリで霊を茶化しに行くのは本当に嫌い 
というよりも、マジでなんかしらやってくるし 
子供の影を見たこの場所、そこそこの心霊スポット 
俺は、「お前らだって、人に茶化しにこられたらやだろ?幽霊だって同じだぜ?」 
こう話をしても、Fランで馬鹿なのと 
暑くなっていく季節も手伝ってか、やはり「行こう」コールは止まない。 
仕方なく俺は、「わかった、なら問題の場所でハザードを焚く」 
そして、そのまま走り去るってゆう条件で 
愚かな奴らを連れて行くことにした。 
車は三台、面子は12~13人 
俺の→その時の親友の→ちょっと遠い田舎の奴の 
っていう順番 
俺が走り去る宣言をしたもんだから 
俺の車、俺以外は全員女子wwwやっぱ怖いんだなと思いながら出発。大学からは3~40分もあれば全然着く 
問題の場所で俺は、ハザードを焚きさらに窓を開け 
手信号の左折の用に右手を出して指を指し 
その場所を示した。 
そしてそのまま二台目を置き去りに走り去る 
問題の場所から先は本当に峠道みたいな感じ。 
湖付近の為、信号もなく走りやすい。 
軽快に飛ばしてると、携帯に着信 
二台目の助手席に乗ったデブからだった 
デブ「やばいやばい!やばいよ~!」 
俺「どうした?」 
デブ「#♂ヽ●%&¥┣」 
俺「落ち着け」 
デブ「ダッシュボードが!!」 
俺「わかった!とりあえず待ってるからズーッッと道なりに来い。一本道で湖の回りだから、くねくねするし停車できる所も無いから大分先にいると思うが待ってる。運転してるHにそう伝えろ」 
そこから俺は、追い付かれまいと飛ばすに飛ばした。 
電話がくる前は女子が乗ってるから、車体が揺れ無いようにと 
気を使ったが、今はデブとその親友をちょっとでも長い間 
不安にさせようとアクセルを踏み抜いた 
ここで、停車して待てんじゃん!と言う直線の5kmぐらい 
先で俺は停車をして待っていた。 
15分ぐらいで、二台目と三台目が到着。 
話を聞くと 
俺が合図をした後、二台とも少しだけ停車をし 
問題の看板を見に行ったそうだ。 
話を聞いてるせいか、異様な雰囲気の為か 
それ以上公園には踏み込まず、帰ろうという話になり 
車に乗り込んだ、発進するとすぐさま 
二台目の車のダッシュボードの上のムートンが跳ね上がったという(当時でもムートンはちょっと時代遅れ感があったが) 
俺「へ~」といい跳ねた場所を見てみると 
フロントガラスの下の方に子供の足ぐらいの 
小さな足跡がくっきりと 
イタズラ書きとかそういうレベルではない 
足で踏んだ感じの跡。しかも両足 
土踏まずは無く描いた痕跡も無い。 
俺「足跡ついてんじゃん。マイミク申請くるんじゃね?」 
一同、固唾を飲んで何も言えない。 
俺はどんずべった事に落ち込んでたが 
二台目の車両の持ち主は、その中では一番の親友 
俺「H!汚れかもしれないからワイパーかけてみ」 
とワイパーをかけさせる。が、消えない。 
続いてデブに 
俺「Fちょっとティッシュで中から拭いてみ。大丈夫だって」 
デブが恐る恐る中から拭う 
足跡が綺麗に消える。一同、固まり尽くす。 
俺「馬鹿にしたり茶化したりするとこういう事がある。だから俺は嫌だったんだ。」 
続けて 
俺「H大丈夫だから気を付けて帰ろう。この道まっすぐで大きい交差点左で、もうわかるから。ゆっくり来なよ」 
ここでも俺、正直足跡には疑いがあったが 
帰りに、H 
ハンドルが何故か右に切れなくなり、左側のフロントバンパーをぶつける。 
大事には至らなかったが、フロントガラスに足跡がついたのも左側だった。